Summer Truffle ・ Tuber aestivum
夏、土の宝石。
サマートリュフのすべて
The quiet luxury of summer, brought up from the soil.
夏だけに出会える、軽やかな香りの黒トリュフ。
濃厚な香りを持つ冬の黒トリュフとは対照的に、より軽やかで親しみやすい存在として知られるサマートリュフ。ヨーロッパの夏に旬を迎える黒トリュフTuber aestivumの特徴や魅力、その楽しみ方をご紹介します。
サマートリュフとは
学名は Tuber aestivum。「夏トリュフ」「サマーブラックトリュフ」とも呼ばれます。外見は黒〜濃褐色の比較的大きなピラミッド状のいぼ状の固く荒めの表皮に覆われ、内側のグレバは春から夏になるにつれて、淡いベージュ色から濃い茶色に色が濃くなり香りも強くなります。
MINI GLOSSARY / ミニ用語集
ペリディウム 外皮のこと。サマートリュフはピラミッド状のいぼで覆われています。
グレバ 内部の組織。色の濃淡や模様が、トリュフの種類を見分ける手がかりです。
旬と、その産地
もっとも香り立つのは、
初夏から晩夏にかけて。
サマートリュフの旬は、おおむね 5月から9月。シーズン序盤は香りが穏やかな一方で、他のフレッシュトリュフに比べて日持ちしやすいのが特徴です。7月を過ぎると熟度が増し、香りも強くなりますが、その分、鮮度の落ちるスピードも早くなります。
栽培もできるが、天然物も多く出回る自然の産物
サマートリュフは、主にイタリア、スペイン、クロアチアなどのヨーロッパ各地で採集されます。栽培も可能な品種であるため、市場への供給が比較的安定しており、冬の黒トリュフ「Tuber melanosporum」に比べて手に取りやすい価格で流通しているのも特徴です。
香りと、味わい。
森の朝の、ひと匙の土。
湿った腐葉土と、軽くローストしたヘーゼルナッツ、そしてやわらかなきのこの香り。深く吸い込むと、奥にバターのような丸みと、かすかな硫黄系の余韻が重なります。冬の黒トリュフよりも繊細で、初めての人にもすっと馴染む香りです。
熟度が高いシーズンピーク時は、より複雑な香りを楽しむことができます。
夏に食べたい、トリュフ皿。
旬のトリュフには旬の食材を。軽やかな香りを持つサマートリュフは、夏らしい料理と好相性です。さらに、その繊細な風味は和食や出汁とも美しく調和し、これまでにない新たな味わいの可能性を広げてくれます。
サマートリュフの冷製カッペリーニ
とうもろこしとトリュフの冷製スープ
サマートリュフ香る豚の冷しゃぶ
料理のポイント
・ 他のトリュフ同様、削りたてが何より。卵やバター、チーズなど、脂を含む素材と合わせると香りがぐっと立ちます。
・ スライスだけでなく、グレーター等で細かく擦りおろして料理に加えるとより香りを楽しめます。
合わせる、たのしみ。
合うワイン
シャルドネ(白) シャブリなど冷涼系・控えめなオーク。Chablis / Cool-climate
ピノ・ノワール(赤) 軽めで土の風味のあるもの。Côte de Nuits, light & earthy
ブラン・ド・ブラン 辛口・熟成型を、卵・乳製品の料理に。Aged dry · with eggs & dairy
FAQs よくある質問
冷凍保存はできますか?
1
可能です。冷凍することで、フレッシュトリュフならではの繊細な香りのニュアンスは多少失われますが、香り自体は凝縮され、より力強く感じられることがあります。保存する際は、密閉袋や密閉容器に入れて冷凍庫で保管し、1か月以内を目安に使い切るのがおすすめです。使用する際は解凍せず、凍ったままスライサーで削ってお使いください。また、お米と一緒に炊き込むことで、香り豊かなトリュフ炊き込みご飯としてもお楽しみいただけます。
トリュフの皮は剥きますか?
2
フレッシュトリュフは、外皮を剥かずにそのまま削ってお召し上がりいただけます。ただし、サマートリュフは外皮が比較的厚く、削りにくい場合があります。また、外皮の傷みや汚れが気になる場合は、カッターやナイフで気になる部分を薄く削り取ってからご使用いただくのがおすすめです。
サマートリュフは洗ってもいいですか?
3
トリュフについた土や汚れは、水で軽く洗い流すことが可能です。ただし、水洗いした後は、キッチンペーパーなどで水分をしっかり拭き取り、完全に乾いた状態にしてください。トリュフが濡れたままだと、腐敗が進む原因となります。
また、外皮に虫食いや割れがあるトリュフは、水洗いすると内部に水分が入り込む可能性があります。その場合は水で洗わず、カッターやナイフで気になる部分を薄く削り取ってからご使用いただくことをおすすめします。
日持ちはどのくらいしますか?
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トリュフには個体差があるため一概には言えませんが、手に入れたら数日以内にお召し上がりいただくことをおすすめします。食べ切れない場合は、バターに削ったトリュフを練り込んで自家製トリュフバターを作ったり、細かく刻んだトリュフとマッシュルームなどをオリーブオイルと合わせて煮込んだタルトゥファータ(トリュフパテ)を作ってみては?
稀に、サマートリュフを「追熟させる」というシェフもいますが、フレッシュトリュフならではの繊細な香りを最大限に楽しむには、採集後できるだけ早く味わうことが大切です。
トリュフの価値は、香りの強さだけで決まるものではありません。ほのかな香りのニュアンスや、熟度による繊細な変化を楽しむ食材です。
サマートリュフを触った際に、ゴムのように柔らかくなっているものは熟しすぎている可能性があります。実にしっかりとした硬さがあるうちにお召し上がりください。

